「まただ…またこのパターンか…」
私はスマホを握りしめ、ため息をつきました。SUUMOで見つけた理想の物件に、期待を込めて問い合わせたのはこれで5回目。しかし、返ってきたのは「申し訳ございません、つい先ほど決まってしまいました」というお決まりのセリフ。そして、間髪入れずに「代わりに、こんな物件はいかがですか?」と、予算オーバーや立地条件の合わない物件がずらりと提示されるのです。
初めての一人暮らしでSUUMOを盲信していたあの頃。ピカピカのフローリング、駅徒歩5分、広々とした間取り…画面の中の物件は、夢のような新生活を約束しているように見えました。意気揚々と不動産会社を訪ね、担当者に満面の笑みで「この物件、内見できますか?」と尋ねた時のことです。
「あ〜、それはもう決まっちゃいましたね〜」
軽くあしらわれるように告げられたその一言に、私の心は凍りつきました。え、だって昨日見たばかりなのに?更新日もつい最近だったはずなのに?「せっかくいらしたので、他の物件も見ていきませんか?」と、半ば強引に別の物件へ連れて行かれたあの時の屈辱は、今でも忘れられません。結局、時間と交通費だけが無駄になり、精神的な疲労だけが残りました。「もう物件探しなんて嫌だ…」 心の中でそう叫んだことを覚えています。
なぜ「おとり物件」は消えないのか?
なぜ、こんなにも多くの人が「おとり物件」に振り回され続けるのでしょうか?
SUUMOやHOME’Sといった大手不動産ポータルサイトは、圧倒的な情報量と使いやすさで、物件探しには欠かせない存在です。しかし、その“多さ”が落とし穴になることも少なくありません。不動産公正取引協議会では「おとり広告」を厳しく規制していますが、残念ながら悪質な業者は後を絶ちません。
不動産会社の立場からすれば、顧客を店舗に呼び込むための「集客ツール」として、「おとり物件」が手軽で効果的な手段となってしまう現実があります。魅力的な物件で目を引き、来店させたら「もう決まってしまった」と伝え、別の物件を勧めればいい。この手口は、賃貸市場の競争が激化する中で、一種の“常套手段”と化しているのです。
「また騙されるんじゃないか…」 その不安は、理想の住まいへの希望を蝕んでいきます。広大なジャングルで目当ての果実を探す旅に出て、毒のある実や既に誰かに取られた実の看板ばかりが目立つ大通り(SUUMO)を歩き続けるようなものです。時間を浪費し、疲弊し、いつしか「こんなものか」と妥協してしまう。そんな経験、あなたにもありませんか?
SUUMOだけじゃない!「おとり物件」が少ない穴場サイトの存在
しかし、諦める必要はありません。私はこの「おとり物件」の呪縛から抜け出すため、徹底的に情報収集を重ねました。そして、ある結論にたどり着いたのです。
「賢い人は、もう『裏ルート』を知っている」
SUUMOのような大手サイトの掲載物件は、ほぼ全ての不動産会社が扱う「公開物件」です。競争が激しく、情報鮮度が落ちやすいのも事実。しかし、世の中には「非公開物件」や、特定のニーズに特化した「穴場不動産サイト」が存在するのです。これらは、地元の人だけが知る細い裏道のようなもの。数は少ないかもしれませんが、本当に甘くて新鮮な果実がひっそりと実っています。
おすすめの「穴場不動産サイト」
1. UR賃貸住宅
- 礼金・仲介手数料・更新料・保証人が全て不要という破格の条件。初期費用を大幅に抑えたい人に最適です。UR都市機構が直接管理しているため、「おとり物件」の心配は一切ありません。抽選になることもありますが、狙う価値は十分にあります。
2. 地元の不動産会社の自社サイト
- 意外と見落としがちですが、地域密着型の中小不動産会社は、大手ポータルサイトには掲載しない「掘り出し物物件」を自社サイトで先行公開していることがあります。Googleマップで「〇〇市 不動産」と検索し、上位に出てくる複数の会社のサイトをチェックしてみましょう。大手にはない温かい対応も魅力です。
3. 特定のライフスタイルに特化したサイト
- 例えば、「フリーランス向け」「ペット可専門」「DIY可能物件」など、ニッチな層に特化したサイトは、大手では見つかりにくい物件情報が豊富です。情報が限定されている分、悪質な業者が入り込みにくい傾向があります。
これらのサイトは、SUUMOほど華やかではないかもしれません。掲載物件数も少ないでしょう。しかし、そこで得られる情報の「質」は、大手サイトをはるかに凌駕することが少なくありません。私が「おとり物件」の沼から抜け出し、今の理想の部屋を見つけられたのは、これらの「裏ルート」を使いこなしたからです。
賢い物件探しの3つのコツ
「おとり物件」に騙されず、理想の住まいを手に入れるためには、以下の3つのコツを実践してください。
1. 複数の情報源を組み合わせる: SUUMOなどの大手サイトはあくまで入口。UR賃貸や地元の不動産サイト、特化型サイトなど、複数の情報源を横断的にチェックし、情報の偏りをなくしましょう。
2. 問い合わせは具体的に: 気になる物件を見つけたら「この物件はまだ空いていますか?」「内見は可能ですか?」と具体的に質問し、曖昧な返答の場合は警戒しましょう。可能であれば、物件の「所在地」まで確認を。不動産会社で働く友人も「具体的な質問をすると、おとり物件の場合、急に歯切れが悪くなることが多い」と言っていました。
3. 「新着物件」を狙う: 大手サイトを使う場合でも、掲載されたばかりの「新着物件」に絞って検索する習慣をつけましょう。情報が新鮮なほど、おとり物件である可能性は低くなります。
もう、おとり物件に振り回されるのは終わりにしませんか?あなたの物件探し、SUUMOだけじゃもったいない。賢く、効率的に、そして何より安心して、あなたの新しい生活の拠点を見つけましょう。一歩踏み出す勇気が、きっと理想の未来を連れてきてくれますよ。
