長年、二次創作活動に情熱を注いできた私ですが、心のどこかでずっと漠然とした不安を抱えていました。私の創作の舞台は、ほとんどがpixiv一辺倒だったからです。
「このままで本当に大丈夫だろうか…?」
最初はただひたすらに作品を投稿し、評価をもらうのが楽しくて仕方ありませんでした。しかし、フォロワーが増え、作品が増えるにつれて、ある種の閉塞感を感じ始めたのです。膨大な作品の中に埋もれていく感覚、特定のジャンルが伸び悩む現実、そして何より、規約変更のニュースやサーバーダウンといった「もしも」の事態に、いつも心のどこかで怯えていました。
『もし、このサービスが突然使えなくなったら、私の作品は、私の活動は、一体どこへ行ってしまうのだろう?』
そんな焦燥感が募る日々。新しい読者との出会いも減り、創作意欲そのものが停滞していくのを感じていました。まるで、一本の太い綱にぶら下がっているような危うさ。それが私にとっての、pixiv一強への依存でした。
そんなある日、同人イベントで隣のブースになった友人と、ふとそんな話になったんです。彼女は私よりずっと前から活動していて、いつも生き生きと創作を楽しんでいるように見えました。恐る恐る「pixiv以外ってどうしてる?」と尋ねると、彼女はにこやかに答えました。
「え?私、結構色々なところでやってるよ。それが結構楽しくてさ!」
その言葉に、私の心に一筋の光が差し込んだのを覚えています。彼女は、作品のジャンルや目的によって、複数のプラットフォームを使い分けていると教えてくれました。例えば、普段のイラストはTwitterやBlueskyで気軽に発信し、長文や設定画はTumblrに。R18作品はFantiaで限定公開し、リクエストはSkebで受ける。そして、大切なオリジナル作品は、いざという時のために個人サイトにも残していると。
『そうか、私の作品は、たった一つの場所に縛られるべきじゃなかったんだ!』
その瞬間、まるで目から鱗が落ちるようでした。彼女の言葉は、私に新しい世界への扉を開いてくれたのです。一本の木に実る果物を、たった一つの畑(pixiv)にしか植えていないとしたら、その畑が荒れたり、日照りが続いたりしたらどうなるでしょう?でも、もし複数の畑に分散して植えられていたら、どんな環境の変化にも耐えられます。そして、それぞれの畑で異なる栄養を得て、もっと多様で豊かな実をつけることができるはずです。創作活動も、まさにそれと同じだと気づいたのです。
それから私は、友人のアドバイスを参考に、少しずつ活動の場を広げていきました。
- 分散型SNS(Mastodon、Bluesky、Misskeyなど):Twitterの代替として、特定のコミュニティが形成されやすい場所です。大手SNSでは埋もれがちなニッチなジャンルでも、熱心なファンと深く繋がれる可能性があります。
- 表現特化・ニッチ系(Tumblr、個人サイト・ブログ):画像だけでなく、テキストやGIFなど多様な表現が可能です。海外ユーザーも多く、思わぬ反響があることも。個人サイトは究極の自由度を誇り、あなたの作品世界を自由に構築できます。
- 収益化・ファン支援型(Booth、Fantia、Patreonなど):作品の販売はもちろん、ファンクラブ運営や限定コンテンツの提供を通じて、創作活動の持続性を高めることができます。ファンとのより深い繋がりを求めるなら、最適な選択肢です。
- コミッション専門(Skeb、Commissionなど):イラストや文章のリクエストを専門に受け付けることで、新しい創作の機会と収益を得られます。
最初は戸惑うこともありましたが、複数の場所で活動する中で、私の創作は新たな息吹を得ました。新しいフォロワーとの出会い、作品への意外な反応、そして何よりも「もしも」の不安から解放された安心感。それは、一本の太い綱から解き放たれ、広大な空を自由に飛び回るような感覚でした。
あなたの作品は、たった一つの場所に縛られるべきではありません。表現の舞台は、あなたが思うよりずっと広いのです。もし今、あなたがかつての私のように閉塞感を感じているなら、ぜひこの一歩を踏み出してみてください。その勇気が、きっとあなたの創作活動に、新たな風と無限の可能性を吹き込んでくれるはずです。
