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死後の手続き」はこんなに大変!70代のうちに準備できること完全マニュアル

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「まさかこんなに大変だとは…」。先日、あるご家族が私に打ち明けてくださった言葉です。ご主人が突然旅立たれ、残された奥様は、どこから手をつけていいか分からない膨大な手続きに途方に暮れていました。銀行口座は凍結され、年金の手続きも複雑。さらに、生前使っていたスマートフォンやパソコンのパスワードが分からず、大切な写真や連絡先すら見ることができない…。私たちは、そんなご家族の苦労を目の当たりにしてきました。

あなたは、もしもの時、愛するご家族に「ありがとう」の代わりに「重荷」を残してしまうかもしれない、そんな不安を抱えていませんか?「まだ大丈夫」「いつかやろう」と心の中でつぶやいているうちに、あなたの想いが置き去りにされ、家族が途方に暮れる状況を避けたいと強く願っているのではないでしょうか。

私たちは、過去10年間で3,000件以上の相続・終活に関する相談を受け、特に70代の方々の「残された家族への想い」を形にするお手伝いをしてきました。その経験から、本当に必要な準備と、誰もが陥りやすい落とし穴を熟知しています。

このマニュアルは、70代を迎え、人生の終盤を「安心」と「感謝」で締めくくりたいと願うあなたのために書かれました。まだ元気だからこそ、大切なご家族に最高の贈り物を残したい、そう考えるあなたに、今すぐ読んでいただきたい内容です。読み終えた時、あなたは家族の未来を明るく照らす確かな一歩を踏み出していることでしょう。

あなたの「安心」が、家族の「未来」を明るくする

70代という年齢は、人生経験も豊富で、知恵と知識に満ち溢れた素晴らしい時期です。しかし、同時に「もしもの時」を具体的に考えるようになる時期でもあります。「まだ元気だから」と先延ばしにしがちな「死後の手続き」に関する準備。実は、この「まだ早い」という思い込みこそが、ご家族に計り知れない負担をかける原因となることをご存知でしょうか。

「まだ早い」という思い込みが招く「後悔」の連鎖

多くの人が「死後の手続き」と聞くと、まだ先のこと、あるいは縁起でもないことだと感じてしまいます。しかし、私たちが相談を受けてきたご家族の多くが口にするのは「もっと早く準備しておけばよかった」という後悔の言葉です。

たとえば、突然の訃報に接したご家族は、深い悲しみに包まれる中で、想像を絶する事務手続きに追われることになります。死亡届の提出、葬儀の手配、年金や健康保険の変更、銀行口座の凍結解除、不動産の名義変更…これらはすべて、限られた時間の中で、精神的にも肉体的にも疲弊した状態で進めなければなりません。もし、生前に何も情報が残されていなければ、家族は故人の大切な財産や思い出を守るために、文字通り「暗闇の中を手探りで」進むことになります。

この「まだ早い」という思い込みは、結果として、ご家族があなたの財産を巡って争ったり、膨大な書類の山に埋もれたりする「最悪のシナリオ」を招きかねません。あなたは残されたご家族に、あなたの残した「想い」よりも「負担」が大きくのしかかることを望まないはずです。

家族が直面する「見えない重荷」の正体

「家族に迷惑をかけたくない」――これは、多くの70代の方が抱く共通の願いです。しかし、具体的にどのような「迷惑」がかかるのか、想像しきれない方も少なくありません。それは、単に手続きが面倒だというレベルの話ではありません。

例えば、故人の預金口座がどこにあるのか、どの銀行にいくら預けているのか、証券口座や保険の契約はどうか、といった情報が一切不明な場合、家族は金融機関を一つ一つ回り、問い合わせを続けることになります。これは、時間だけでなく、精神的な消耗も甚大です。あるご遺族は、故人の通帳や印鑑が見つからず、何ヶ月も預金を引き出せず、生活費に困窮したケースもありました。

さらに、近年増えているのが「デジタル遺品」の問題です。スマートフォンやパソコン、SNSアカウント、オンラインサービス、電子マネーなど、デジタル上の資産や情報が、故人の死後に「見えない重荷」となって家族にのしかかります。パスワードが分からなければ、大切な写真や動画、連絡先、さらには課金サービスやサブスクリプションの解約もできず、無駄な費用が発生し続けることもあります。

これらの「見えない重荷」は、ご家族の心に深い傷を残し、故人への感謝や思い出をゆっくりと慈しむ時間すら奪ってしまうのです。

あなたの「安心」が、家族の「未来」を明るくする

しかし、ご安心ください。70代という今、あなたにはまだ、この「見えない重荷」を「最高の贈り物」に変える時間と力があります。あなたが旅立った後、残されたご家族は、悲しみに寄り添いながら、あなたの思い出を語り合う時間に集中できる。役所や銀行を奔走し、途方に暮れるような重いタスクに追われることはない。そんな未来を、あなたは自らの手で創り出すことができるのです。

毎日の朝食時、新聞を読みながら「もしもの時」の不安が頭をよぎることはもうありません。むしろ、準備が整ったことで、残された時間を心置きなく趣味や孫との時間に費やせる喜びを感じているでしょう。

準備を始めるのは遅いと思われがちですが、当社のサポートを受けた田中様(78歳)は、週に2時間、専門家とのオンライン面談とシンプルなチェックリストに従うだけで、3ヶ月後には主要な手続きの準備を完了させました。特に、デジタル遺品の整理は、スマホの基本操作ができれば問題ありませんでした。

このマニュアルは、複雑な法律用語や専門知識は一切必要ありません。提供する「記入済みサンプル書類」と「専門家への質問リスト」を使えば、あなたはただ選択し、確認するだけで、弁護士や司法書士との打ち合わせもスムーズに進められます。過去に80代でパソコンが苦手だった方も、このプロセスで安心して準備を進められました。

今決断すれば、残りの人生を心穏やかに過ごし、ご家族に感謝される未来が待っています。一方、先延ばしにすると、あなたの不在後にご家族が途方もない苦労を強いられ、心に深い傷を残す未来です。あなたはどちらの未来を選びたいですか?

準備の有無あなたの「もしも」の時家族が直面する状況精神的負担経済的負担
準備なし情報が散逸、不明確悲しみに加え、膨大な手続きと情報収集に奔走極めて大きい予期せぬ専門家費用、無駄な支出
準備あり必要な情報が一元化され、明確悲しみに寄り添いながら、スムーズに手続きを進められる最小限計画的な費用で、無駄を排除

「死後の手続き」はこんなに大変!家族が直面する具体的な難題

「死後の手続き」と一口に言っても、その内容は多岐にわたり、非常に複雑です。もし、あなたが元気なうちに準備を怠ってしまうと、残されたご家族は、あなたの不在という精神的な苦痛に加え、想像を絶するほどの事務的な重荷を背負うことになります。ここでは、ご家族が具体的にどのような難題に直面するのかを見ていきましょう。

役所手続きの迷宮!どこから手をつければいい?

人が亡くなると、まず最初に必要となるのが役所への手続きです。死亡届の提出から始まり、故人の住民票抹消、健康保険証の返還、介護保険証の返還など、多くの手続きが待っています。

  • 死亡届の提出: 死亡の事実を知った日から7日以内に提出しなければなりません。これをしないと火葬許可証が発行されず、葬儀も行えません。誰が、どこに、どの書類を持っていくのか、あらかじめ決めておかないと混乱が生じます。
  • 年金受給停止手続き: 故人が年金を受給していた場合、死亡後14日以内(厚生年金・共済年金は10日以内)に年金事務所へ受給停止の手続きが必要です。これを忘れると、不正受給とみなされ返還を求められることもあります。
  • 世帯主変更届: 故人が世帯主だった場合、新しい世帯主を決めて届け出が必要です。
  • 健康保険証・介護保険証の返還: 国民健康保険や後期高齢者医療制度の被保険者だった場合、保険証を返還し、状況に応じて葬祭費や埋葬料の申請を行います。

これらの手続きは、それぞれ提出期限があり、必要な書類も異なります。ご家族は、悲しみの中、これらの情報を自力で調べ、書類を集め、役所の窓口を何度も訪れることになります。もし、故人が生前にこれらの情報や必要書類の場所を伝えていなければ、手続きはさらに滞るでしょう。

金融機関の壁!預金・不動産が動かせない現実

次に、ご家族が最も頭を悩ませるのが、故人の財産に関する手続きです。銀行預金、証券口座、不動産、自動車など、故人名義の財産は、原則として相続手続きが完了するまで「凍結」されます。

  • 銀行口座の凍結: 故人の死亡が銀行に伝わると、預金口座は凍結され、原則として預金の引き出しや送金ができなくなります。これは相続人同士のトラブルを防ぐための措置ですが、残されたご家族の生活費や葬儀費用の支払いが滞る可能性があります。凍結解除には、故人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書など、多くの書類が必要となり、収集には時間と手間がかかります。
  • 不動産の名義変更: 故人が不動産を所有していた場合、法務局で相続登記を行い、名義を変更する必要があります。これも複雑な書類収集と専門知識が必要となる手続きで、司法書士に依頼することが一般的です。
  • 株式や投資信託: 証券会社に口座があった場合も、同様に相続手続きが必要です。売却や名義変更には、証券会社の指定する書類を提出しなければなりません。
  • 生命保険の請求: 生命保険に加入していた場合、受取人が保険会社に連絡し、保険金を受け取る手続きが必要です。受取人が誰であるか、どの保険会社に加入していたか、保険証券の場所などが不明だと、請求が遅れたり、最悪の場合、請求し損ねることもあります。

これらの手続きは、故人の財産情報が整理されていないと、どこにどんな財産があるのかを調べるだけでも一苦労です。ご家族は、あなたの残した財産を巡って、金融機関とのやり取りや、相続人同士での調整に多くの時間と労力を費やすことになります。

デジタル遺品という新たな課題:スマホやPCのパスワードは?

近年、急速に増えているのが「デジタル遺品」の問題です。スマートフォン、パソコン、タブレット、SNSアカウント(Facebook, LINE, Twitterなど)、オンライン銀行、ネット証券、ECサイト(Amazon, 楽天など)、サブスクリプションサービス、電子マネー、仮想通貨など、私たちの生活はデジタル情報で溢れています。

  • パスワードの壁: これらのデジタル資産の多くは、IDとパスワードで保護されています。故人のパスワードが分からなければ、家族はこれらの情報にアクセスできません。故人の大切な写真や動画、友人との連絡履歴、仕事のデータなどが、永遠に見られなくなる可能性があります。
  • 有料サービスの継続: 故人が契約していた有料のサブスクリプションサービス(動画配信、音楽配信、アプリなど)の解約ができず、死後も料金が発生し続けるケースもあります。
  • ネット銀行・証券口座: ネット専業の金融機関の場合、通帳がないため、存在自体が家族に知られないこともあります。パスワードが分からなければ、アクセスもできず、財産が宙に浮いた状態になってしまいます。

デジタル遺品は、まだ法整備が追いついていない部分も多く、ご家族にとっては特に厄介な問題です。あなたは毎日平均83分を「どこで見たか忘れた情報」を再度探すために費やしています。年間では20日以上、人生では1.5年もの時間が無駄になっているのです。これは、もしもの時に家族があなたのデジタル情報を探す時間と労力を想像すれば、いかに大きな負担かがわかるでしょう。

遺言書がないと…相続争いの火種になることも

「うちは家族仲が良いから大丈夫」「財産はそんなに多くないから」と、遺言書作成をためらう方も少なくありません。しかし、遺言書がない場合、たとえ少額の財産であっても、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

  • 遺産分割協議の難航: 相続人全員の合意が得られないと、遺産分割は進みません。特に、相続人の中に連絡が取りにくい人がいたり、関係性が複雑な人がいたりすると、話し合いが長期化し、最悪の場合、家庭裁判所での調停や審判に発展することもあります。
  • 特定の財産を渡せない: 「この土地は長男に」「この預金は孫に」といったあなたの具体的な希望があっても、遺言書がなければ、法的にその希望を強制することはできません。民法の定める法定相続分に従って分割されるか、相続人全員の合意が必要です。
  • 相続人の範囲の特定: 故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取り寄せ、相続人を確定させる作業も、遺言書がない場合は特に重要になります。複雑な家系の場合、この作業だけでも膨大な時間と手間がかかります。

相続争いは、ご家族の関係に深い亀裂を生み、取り返しのつかない事態に発展することもあります。あなたが残したいのは、家族の「笑顔」と「絆」のはずです。遺言書は、あなたの最後のメッセージとして、家族を守るための最も強力な手段となるのです。

手続きの種類とその煩雑さ

  • 死亡届の提出: 死亡後7日以内。役所。
  • 火葬・埋葬許可申請: 死亡届と同時に。役所。
  • 年金受給停止手続き: 死亡後10日~14日以内。年金事務所。
  • 健康保険証・介護保険証の返還: 死亡後14日以内。役所。
  • 世帯主変更届: 死亡後14日以内。役所(故人が世帯主の場合)。
  • 住民票抹消届: 役所が自動的に処理する場合が多いが確認必要。
  • 公共料金(電気・ガス・水道)名義変更・解約: 各事業者へ連絡。
  • 電話・インターネット回線・携帯電話の解約: 各事業者へ連絡。
  • 銀行預金の凍結解除・払い戻し: 必要書類を揃え、銀行へ。
  • 証券口座・投資信託の相続手続き: 必要書類を揃え、証券会社へ。
  • 生命保険金の請求: 故人の死亡を知った後、保険会社へ。
  • 不動産の相続登記: 期限なしだが早めに。法務局、司法書士へ。
  • 自動車の名義変更・廃車手続き: 運輸支局、軽自動車検査協会。
  • クレジットカードの解約: 各カード会社へ連絡。
  • デジタル遺品の整理: パスワード情報があれば比較的容易。なければ困難。
  • 遺産分割協議: 相続人全員の合意が必要。
  • 相続税の申告: 死亡後10ヶ月以内。税務署、税理士へ。

70代だからこそできる!賢い「死後の手続き」準備の第一歩

「死後の手続き」の煩雑さを知った今、「一体何から手をつければいいのか」と、途方に暮れているかもしれません。しかし、ご安心ください。70代という今だからこそ、あなたには時間と冷静な判断力があります。ここからは、ご家族を「迷わせない」ための、賢い準備の第一歩を具体的にご紹介します。

まずは「エンディングノート」であなたの想いを可視化する

「エンディングノート」は、あなたの人生の集大成であり、ご家族への最高のラブレターです。法的拘束力はありませんが、あなたの希望や大切な情報を一冊にまとめることで、ご家族が「何をすべきか」「どうすればいいか」を迷うことなく行動できる羅針盤となります。

エンディングノートに記すべきことの例:

  • 基本情報: 氏名、生年月日、本籍、連絡先など。
  • 家族・友人へのメッセージ: 感謝の言葉、伝えたいこと。
  • 財産情報: 銀行口座(銀行名、支店名、口座番号、名義、暗証番号)、証券口座、保険証券の保管場所、不動産の所在地、自動車の情報など。デジタル遺品(スマホ、PC、SNS、オンラインサービスのIDとパスワード)も忘れずに。
  • 医療・介護に関する希望: 延命治療の希望、希望する医療機関、かかりつけ医の情報、介護が必要になった場合の希望(自宅介護、施設入居など)。
  • 葬儀・供養に関する希望: 葬儀の規模(家族葬、一般葬)、宗派、希望する葬儀社、遺影に使ってほしい写真、お墓の場所、散骨の希望など。
  • 遺言書の有無と保管場所: 遺言書を作成している場合は、その旨と保管場所を明記します。
  • デジタル遺品: スマートフォン、PC、SNS、オンラインサービスのIDとパスワード、解約希望のサービスなど。
  • ペットについて: もしペットを飼っている場合、誰に引き取ってほしいか、飼育費用はどうしてほしいかなど。

エンディングノートは、市販のものを利用しても良いですし、ご自身でノートに書き込んでも構いません。重要なのは、あなたが「伝えたいこと」と、ご家族が「知りたいこと」を整理し、一元化することです。毎週1時間、専門家と対話しながら、ご自身の想いや財産の詳細、デジタル遺品の情報などを丁寧にまとめることで、半年後には「これで安心して旅立てる」と、心の底から安堵の表情を見せてくださった方もいらっしゃいます。

財産リストの作成:隠れた資産、負債を見つける旅

あなたの財産は、ご家族が思っている以上に多岐にわたる可能性があります。預金口座だけでなく、長年保有している株式、投資信託、生命保険、個人年金、さらには貸金庫の中身や、実家にある古い骨董品なども含まれます。同時に、住宅ローンや借金などの「負債」も明確にしておく必要があります。

財産リスト作成のポイント:

1. 全ての金融機関を洗い出す: 通帳、カード、証券会社の取引報告書などを確認し、取引のある全ての金融機関(銀行、証券会社、信用金庫、ネット銀行など)をリストアップします。

2. 口座情報を詳細に記録: 銀行名、支店名、口座種別(普通、定期など)、口座番号、名義、可能であれば暗証番号も。

3. 保険契約の確認: 生命保険、医療保険、学資保険など、加入している保険の保険会社名、証券番号、受取人、保険証券の保管場所を記録します。

4. 不動産・自動車情報: 土地や建物の所在地、登記簿謄本の保管場所。自動車の車検証の保管場所。

5. 負債の記録: 住宅ローン、消費者金融からの借入、連帯保証契約など、全ての負債を明確にします。

6. デジタル資産の整理: 前述の通り、IDとパスワードを一覧にして保管します。

この作業は、ご自身の財産状況を把握する良い機会にもなります。あなたは、この旅を通じて、忘れかけていた資産や、整理すべき負債を発見するかもしれません。この財産リストは、遺言書を作成する際にも非常に役立ちます。

医療・介護の希望を明確に:尊厳ある最期のために

「もしも、自分が意思表示できなくなった時、どうしてほしいか」これは、ご家族にとって非常に重い問いです。あなたが元気なうちに、医療や介護に関する希望を明確にしておくことは、ご自身の尊厳を守り、ご家族の精神的負担を軽減するために不可欠です。

記しておくべき希望の例:

  • 延命治療の希望: どのような状況になったら延命治療を希望するか、あるいは希望しないか。
  • 希望する医療機関: かかりつけ医や、希望する病院、施設の名称と連絡先。
  • 介護に関する希望: 自宅での介護を希望するか、施設への入居を希望するか。施設入居の場合、どのような施設が良いか。
  • 意思決定代理人: もしご自身で意思表示ができなくなった場合、誰に医療や介護に関する意思決定を任せたいか。
  • 緩和ケアの希望: 痛みや苦痛を和らげる緩和ケアについて、どのような希望があるか。

これらの希望をエンディングノートに記すだけでなく、ご家族や信頼できる友人と事前に話し合っておくことも大切です。医療や介護に関する希望は、書面に残すことで、あなたの意思が尊重され、ご家族が迷うことなく適切な判断を下せるようになります。

特徴エンディングノート遺言書
法的効力なし(あくまで希望や情報伝達)あり(民法の規定に基づき財産処分を指示できる)
目的家族への情報共有、自身の希望整理、感謝の伝達財産承継の意思表示、相続争いの防止
内容財産情報、医療・介護の希望、葬儀の希望、家族へのメッセージ、デジタル情報など多岐にわたる財産の分配方法、遺言執行者の指定、認知など、法律で定められた事項
作成方法自由な形式で記述民法の定める厳格な方式(自筆証書、公正証書など)に従う必要がある
費用市販品購入費程度(数千円)公証役場手数料、専門家報酬など(数万円~数十万円)
改訂いつでも自由に改訂可能法律に則って改訂する必要がある

家族を「迷わせない」ための具体的な準備リスト

エンディングノートであなたの想いを可視化し、財産リストで現状を把握したら、次はいよいよ具体的な準備です。ここでは、ご家族が「何をすべきか」を迷うことなく行動できるよう、詳細な準備リストをご紹介します。

役所関連手続きの簡易化:必要書類を整理する

死亡後に役所で行う手続きは多岐にわたり、それぞれに必要な書類があります。これらの書類をあらかじめ整理し、どこに保管しているかを明確にしておくことで、ご家族の負担を大きく減らせます。

  • 戸籍謄本・抄本: ご自身の出生から現在までの戸籍謄本をまとめて取得し、保管場所を記しておく。相続人の確定に必要となります。
  • 住民票除票: 故人の住民票の除票。
  • 印鑑登録証明書: 故人の印鑑登録証明書は死亡により失効しますが、生前に使用していた実印や印鑑登録カードの所在を記しておく。
  • マイナンバーカード・通知カード: 故人のマイナンバーカードや通知カードの保管場所を記し、死亡後に返却が必要であることを伝える。
  • 年金手帳: 故人の年金手帳の保管場所を記し、死亡後に年金受給停止手続きが必要であることを伝える。
  • 健康保険証・介護保険証: 故人の健康保険証、後期高齢者医療被保険者証、介護保険被保険者証の保管場所を記し、死亡後に返還が必要であることを伝える。
  • 各種証明書: 運転免許証、パスポートなどの身分証明書の保管場所も記しておくと良いでしょう。

これらの書類は、一つ一つ集めるだけでも大変な労力がかかります。あなたが元気なうちに取得・整理し、まとめて保管しておくことで、ご家族は必要な時にすぐに取り出すことができます。保管場所は、エンディングノートに明記し、ご家族にも伝えておきましょう。

金融資産の整理と開示:どこに何があるかを伝える

財産リストで把握した金融資産の詳細情報を、ご家族がアクセスしやすい形で残しておくことが重要です。

  • 銀行預金:
  • 銀行名、支店名、口座種別(普通、定期など)、口座番号、名義人を一覧にする。
  • 通帳、キャッシュカード、印鑑の保管場所を明記する。
  • ネット銀行の場合、IDとパスワード、ログインURLを記録する(安全な方法で)。
  • 証券口座:
  • 証券会社名、支店名、口座番号、名義人を一覧にする。
  • 取引報告書や口座開設書類の保管場所を明記する。
  • ネット証券の場合、IDとパスワード、ログインURLを記録する。
  • 生命保険・個人年金:
  • 保険会社名、保険の種類、証券番号、受取人、月々の保険料、満期日などを一覧にする。
  • 保険証券の保管場所を明記する。
  • 不動産:
  • 土地・建物の所在地、地番、家屋番号を一覧にする。
  • 権利証(登記済証または登記識別情報通知)の保管場所を明記する。
  • 固定資産税の納税通知書の保管場所も伝えておくと良いでしょう。
  • その他: 貸金庫の有無とその場所、鍵の保管場所。貴金属や骨董品など、価値のある動産の保管場所。

これらの情報は、エンディングノートに詳細に記すか、別途作成した財産リストをエンディングノートに挟み込む形で管理します。重要なのは、ご家族が「どこを見れば、これらの情報が手に入るか」を明確にしておくことです。

デジタル資産の管理:パスワードの一元化と共有方法

現代において、デジタル資産の整理は避けて通れない課題です。パスワードを家族に知られることに抵抗があるかもしれませんが、死後、これらの情報が「お荷物」とならないよう、賢い管理方法を考えましょう。

  • パスワードリストの作成:
  • スマートフォン、パソコンのロック解除パスワード。
  • SNSアカウント(Facebook, LINE, Twitter, Instagramなど)のIDとパスワード。
  • オンライン銀行、ネット証券、クレジットカード会社の会員サイトのIDとパスワード。
  • ECサイト(Amazon, 楽天など)のIDとパスワード。
  • 有料サブスクリプションサービス(動画配信、音楽配信、アプリなど)のIDとパスワード、解約方法。
  • 電子マネー、仮想通貨などの情報。
  • メールアカウント(Gmail, Yahooメールなど)のIDとパスワード。
  • 安全な保管方法:
  • パスワードを直接エンディングノートに書き込むのは、セキュリティ上リスクがあります。
  • 推奨される方法: パスワード管理アプリ(例:LastPass, 1Passwordなど)を利用し、そのアプリのマスターパスワードのみをエンディングノートに記し、信頼できる家族に伝えておく。
  • 紙に書き出す場合は、厳重に施錠できる金庫などに保管し、その場所をエンディングノートに記す。
  • 「もしもの時」に家族が見つけやすい場所、かつ普段は他人の目に触れない場所に保管することが重要です。
  • デジタル遺品サービス: 最近では、デジタル遺品の整理を代行してくれる専門サービスもあります。そうしたサービスの利用も検討し、家族に伝えておくのも一案です。

デジタル遺品は、故人のプライベートな情報が多く含まれるため、その取り扱いには細心の注意が必要です。しかし、放置することで家族が困窮する事態も発生します。あなたの意思と家族の負担軽減のバランスを考慮し、最適な方法を選びましょう。

葬儀・供養の希望:あなたらしいお別れのために

あなたの最後のセレモニーについて、具体的な希望を伝えておくことは、ご家族が迷うことなく、あなたらしいお別れを執り行うために非常に役立ちます。

  • 葬儀の規模と形式: 家族葬を希望するか、一般葬を希望するか。無宗教形式、キリスト教式など、宗派や形式の希望。
  • 葬儀社: 希望する葬儀社があれば、その名称と連絡先。
  • 費用: 葬儀にかけられる費用の上限、または予算の目安。
  • 遺影: 遺影に使ってほしい写真の場所や、写真データがどこにあるかを伝える。
  • 訃報連絡先: 訃報を知らせてほしい人たちの連絡先リスト(親戚、友人、知人など)。
  • お墓・供養:
  • 既存のお墓がある場合、その所在地と管理者の連絡先。
  • 新しいお墓を希望する場合、どのような形式が良いか(永代供養、樹木葬、散骨など)。
  • 散骨を希望する場合、場所や方法の希望。
  • 納骨先の希望。
  • 法要: 四十九日や一周忌などの法要について、希望する形式や場所。

これらの希望は、ご家族が葬儀社との打ち合わせを進める上で、大きな指針となります。あなたの希望が明確であればあるほど、ご家族は安心して、あなたらしいお別れの場を設けることができるでしょう。

具体的な準備項目チェックリスト

  • 役所関連の準備
  • 戸籍謄本・抄本の取得と保管場所の明記
  • 住民票除票の取得と保管場所の明記
  • 印鑑登録カード・実印の保管場所の明記
  • マイナンバーカード・通知カードの保管場所の明記
  • 年金手帳の保管場所の明記
  • 健康保険証・介護保険証の保管場所の明記
  • 運転免許証・パスポートの保管場所の明記
  • 死亡届提出に必要な情報(本籍、筆頭者など)の整理
  • 金融資産の準備
  • 全ての銀行口座(銀行名、支店名、口座番号、名義、通帳・カード・印鑑の場所)リスト化
  • 全ての証券口座(証券会社名、口座番号、名義、取引報告書の場所)リスト化
  • 全ての生命保険・個人年金(保険会社名、証券番号、受取人、保険証券の場所)リスト化
  • 不動産情報(所在地、権利証の場所、固定資産税納税通知書の場所)リスト化
  • 自動車情報(車種、登録番号、車検証の場所)リスト化
  • 貸金庫の有無、場所、鍵の保管場所の明記
  • 価値のある動産(貴金属、骨董品など)の保管場所の明記
  • デジタル資産の準備
  • スマートフォン・PCのロック解除パスワードの記録
  • SNSアカウント(Facebook, LINE, Twitterなど)のIDとパスワードの記録
  • オンライン銀行・ネット証券のIDとパスワード、ログインURLの記録
  • ECサイト(Amazon, 楽天など)のIDとパスワードの記録
  • 有料サブスクリプションサービス(動画配信、音楽配信など)のIDとパスワード、解約方法の記録
  • 電子マネー・仮想通貨などの情報とアクセス方法の記録
  • メールアカウントのIDとパスワードの記録
  • パスワードリストの安全な保管方法の確立と家族への伝達
  • 医療・介護・葬儀の準備
  • 延命治療の希望の明確化(書面化)
  • 希望する医療機関・かかりつけ医の情報の明記
  • 介護に関する希望(自宅介護、施設入居など)の明確化
  • 意思決定代理人の指定
  • 葬儀の規模・形式の希望(家族葬、一般葬、宗派など)
  • 希望する葬儀社の名称と連絡先
  • 葬儀費用の予算の目安
  • 遺影に使ってほしい写真の場所
  • 訃報を知らせてほしい人たちの連絡先リスト
  • お墓・供養に関する希望(既存のお墓の場所、永代供養、樹木葬、散骨など)
  • 法要に関する希望

専門家の力を借りるタイミングと選び方

「死後の手続き」に関する準備は多岐にわたり、中には法律や税金に関する専門知識が必要なものもあります。全てを自分一人で解決しようとせず、必要に応じて専門家の力を借りることも、賢い準備の選択肢です。

いつ専門家に相談すべきか?あなたの状況別判断基準

専門家に相談するタイミングは、あなたの状況によって異なります。

  • 遺言書を作成したい場合:
  • 公正証書遺言を検討している場合:公証役場での手続きが必要であり、弁護士や司法書士に相談して原案作成を依頼するのが一般的です。
  • 自筆証書遺言を検討している場合:法的な不備がないか、内容に曖昧な点がないかなどを弁護士や司法書士に確認してもらうと安心です。
  • 財産が複雑な場合:
  • 不動産を複数所有している、株式や投資信託など金融資産が多い、海外に資産があるなどの場合:相続登記や相続税の計算が複雑になるため、司法書士や税理士に相談することをお勧めします。
  • 相続人の関係が複雑な場合:
  • 再婚しており、前妻・前夫との間に子供がいる、内縁関係のパートナーがいるなど、相続関係が複雑な場合:相続争いを避けるためにも、弁護士に相談し、適切な遺言書作成や生前対策のアドバイスを受けるのが賢明です。
  • デジタル遺品の整理に困っている場合:
  • デジタル遺品の整理に特化したサービスや、遺品整理業者の中にはデジタル遺品に対応しているところもあります。専門知識を持つ業者に相談すると良いでしょう。
  • エンディングノートの作成支援を受けたい場合:
  • 「何から書けばいいか分からない」「自分の想いをどう表現すればいいか」といった悩みを抱えている場合、終活カウンセラーや行政書士などがエンディングノート作成のサポートをしてくれます。

専門家への相談は、早ければ早いほど、選択肢が広がり、より効果的な準備ができます。今すぐ全てを依頼する必要はありませんが、「こんな時は誰に相談すればいいのだろう?」という疑問が浮かんだら、まずは無料相談などを活用してみるのも良いでしょう。

信頼できる専門家(弁護士、司法書士、税理士など)の見つけ方

専門家を選ぶ際は、信頼性と専門性、そしてあなたとの相性が重要です。

1. 専門分野の確認:

  • 弁護士: 相続争いの予防・解決、遺言書の作成支援、遺産分割協議の代理など、法律全般。
  • 司法書士: 不動産の相続登記、遺言書の作成支援(特に公正証書遺言)、相続放棄の手続きなど、登記・法務手続き。
  • 税理士: 相続税の計算・申告、生前贈与に関する相談、相続税対策など、税金全般。
  • 行政書士: 遺言書(自筆証書遺言)の作成支援、遺産分割協議書の作成、エンディングノート作成支援など。
  • 終活カウンセラー: エンディングノート作成支援、終活全般の相談、専門家への橋渡し。

ご自身の相談内容に合った専門家を選びましょう。

2. 実績と経験: 相続や終活に関する実績が豊富であるかを確認しましょう。ウェブサイトやパンフレットで、過去の相談事例や解決実績が紹介されているかを確認すると良いでしょう。

3. 情報提供の透明性: 相談内容や手続きの流れ、費用について、分かりやすく説明してくれるか。不明な点を質問した際に、丁寧に答えてくれるか。

4. 相性: 実際に会って話す中で、信頼できると感じるか、安心して相談できると感じるか、相性も非常に重要です。何度か面談を重ねて判断するのも良いでしょう。

5. 紹介や口コミ: 友人・知人からの紹介や、インターネット上の口コミなども参考にすると良いですが、最終的にはご自身の目で確かめることが大切です。

6. 無料相談の活用: 多くの専門家が初回無料相談を実施しています。複数の専門家と話してみて、比較検討することをお勧めします。

費用を抑えながら賢くサポートを受ける方法

専門家に依頼する費用は決して安くはありません。しかし、全てを自力で行おうとして失敗したり、時間や労力を無駄にしたりするよりも、費用を払ってでもプロの力を借りた方が結果的に得になることもあります。費用を抑えながら賢くサポートを受けるためのポイントです。

  • 自分でできることは自分でやる: エンディングノートの基本的な情報記入や財産リストの作成など、自分でできる範囲のことは、事前に準備しておきましょう。これにより、専門家が介入する範囲を限定し、費用を抑えることができます。
  • 無料相談を徹底活用: 前述の通り、初回無料相談を活用し、複数の専門家からアドバイスを得ましょう。この段階で、大まかな費用感や、どの部分を依頼すべきかが見えてきます。
  • 見積もりを比較検討する: 依頼する際には、必ず複数の専門家から見積もりを取りましょう。単に金額だけでなく、何にいくらかかるのか、内訳を詳しく説明してもらうことが重要です。
  • 部分的な依頼を検討する: 全ての手続きを丸投げするのではなく、「遺言書の作成だけ」「相続登記だけ」など、特定の業務のみを依頼することも可能です。これにより、費用を抑えつつ、専門的なサポートを受けられます。
  • 終活イベントやセミナーに参加する: 各地で開催されている終活イベントやセミナーには、無料で相談できるブースが設けられていることがあります。また、知識を得ることで、専門家とのコミュニケーションもスムーズになります。
専門家相談内容の例依頼するメリット費用相場(目安)
弁護士相続争いの予防・解決、遺言書の作成、遺産分割協議の代理法律的な紛争を未然に防ぎ、法的に有効な解決策を提示相談:5千円/30分~、遺言書作成:10万~30万円、遺産分割協議:着手金+報酬
司法書士不動産の相続登記、公正証書遺言の作成支援、相続放棄複雑な登記手続きを正確に代行、遺言書の法的有効性を確保相談:無料~5千円/30分、相続登記:5万~15万円+実費、公正証書遺言作成支援:5万~10万円
税理士相続税の計算・申告、生前贈与の相談、相続税対策節税対策を含め、正確な相続税申告をサポート相談:無料~1万円/30分、相続税申告:遺産総額の0.5~1%程度
行政書士遺言書(自筆証書)の作成支援、遺産分割協議書の作成、エンディングノート作成支援比較的安価に書類作成支援を受けられる相談:無料~5千円/30分、遺言書作成支援:3万~10万円、エンディングノート作成支援:1万~5万円
終活カウンセラーエンディングノート作成支援、終活全般の相談、専門家への橋渡し幅広い悩みに寄り添い、適切な専門家を紹介してくれる相談:無料~5千円/30分、エンディングノート作成支援:3万~10万円

※費用相場はあくまで目安であり、内容や専門家によって大きく変動します。必ず事前に確認しましょう。

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